「台風が来るたびに、断水になったらどうしよう」——実家のお母さんがそうつぶやくのを聞いて、はっとした方もいるのではないでしょうか。台風シーズンの停電対策として懐中電灯やモバイルバッテリーを準備している家庭は増えていますが、意外と見落とされがちなのが「断水したときのトイレ」の問題です。水道が止まると、トイレの水が流せなくなり、特に足腰が弱っていたり、頻繁にトイレへ行く高齢の親にとっては大きな不安要素になります。この記事では、いざというときに親が安心して使える携帯トイレ・簡易トイレの選び方と、家族が事前にできる備えについて、具体的にご紹介します。
この記事では、断水時にトイレで困らないための携帯トイレ・簡易トイレの選び方、今日から始められる備蓄のコツ、そして家族が一緒にできる声かけの工夫についてお伝えします。特別な工事や大がかりな準備は必要ありません。まずは知っておくだけでも、いざというときの不安がぐっと軽くなります。

断水でトイレが使えなくなると何が起きるのか
台風や豪雨による断水は、数時間で復旧することもあれば、数日間続くこともあります。水道が止まると水洗トイレは流せなくなり、特に一人暮らしの高齢者にとっては「我慢する」「水分を控える」といった行動につながりやすく、脱水や体調不良のリスクを高めてしまいます。
水分を控えて体調を崩すケースが多い
「トイレに行けないなら、水を飲むのを控えよう」と考える高齢者は少なくありません。しかし夏場の水分控えは熱中症や脱水症状のリスクを高めます。経口補水液の記事でも触れていますが、我慢するのではなく「トイレの心配をなくす」ことが根本的な対策になります。
立ち座りの負担も見逃せない
断水時に使う簡易トイレの中には、しゃがんで使うタイプもあります。足腰が弱っている高齢の親には、便座やフレームのある「腰かけて使えるタイプ」の方が安全で負担が少なく、転倒のリスクも減らせます。
夜間・停電時はさらに不安が増す
台風は夜間に接近することも多く、停電と断水が重なると、暗い中で慣れない場所まで移動するのは危険です。「寝室の近くに簡易トイレを置いておく」だけでも、親の不安と転倒リスクをぐっと減らすことができます。
断水はどのくらい続くのか
台風や豪雨による断水は、地域や被害状況によって数時間で復旧する場合もあれば、配管の修理に数日〜1週間程度かかることもあります。国や自治体は各家庭に対して、飲料水だけでなく生活用水についても数日分の備蓄を呼びかけています。トイレの備えも、この「数日分」を目安に考えておくと安心です。
また、断水中は手洗いもままならなくなるため、ウェットティッシュや除菌シートを合わせて備えておくと、衛生面での不安も和らげることができます。
「うちの実家は高台にあるから大丈夫」と思っていても、断水は浸水の有無に関係なく、配管や浄水施設の被害によって広い範囲で発生することがあります。地域を問わず、備えておくに越したことはありません。
今日から備えられる携帯トイレ・簡易トイレの選び方
簡易トイレには「便座やフレームがある据え置きタイプ」と「袋と凝固剤だけの携帯タイプ」があります。実家の親に備える場合は、この2種類を組み合わせて用意しておくのが安心です。
今日からできること
- 普段使っている洋式トイレにかぶせて使える「便座設置タイプ」を1つ用意する
- 凝固剤付きの携帯トイレ袋を、家族の人数×3〜5回分ストックしておく
- 寝室やリビングなど、夜間でも移動しやすい場所に保管場所を決めておく
- 使い方を一度、親と一緒に試してみて手順を確認しておく
家族が連携してできること
「もし断水したらどうする?」と聞くと、親は「大丈夫、なんとかなる」と答えがちです。そこで「簡易トイレ、一緒に置き場所だけ決めておこうか」と具体的な行動を提案すると、話が進みやすくなります。台風が接近する前に家族で電話をして、備蓄の残数を確認する習慣をつけておくのもおすすめです。
会話例:さりげなく備えを提案する
「うちも台風のとき断水したことあってさ、簡易トイレ買っておいたら助かったよ」というように、自分の話として切り出すと、親も身構えずに話を聞いてくれることが多いです。「お母さんも1つ置いておこうか」と自然に誘ってみましょう。
電話で伝えるだけでは実感が湧きにくいものです。次の帰省時に一緒に段ボール箱を開けて、実際に使い方を確認しながら「ここに置いておくね」と場所を決めると、親も家族も安心感が違います。
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においが気になる方にもおすすめの消臭タイプ
特に持病があり通院中の親の場合は、災害時の水分・食事の管理についても普段からかかりつけ医に相談しておくと、いざというとき落ち着いて対応できます。
備蓄のチェックポイント
- 簡易トイレの使用回数と、家族の人数・日数を掛け合わせて必要数を計算する
- 凝固剤には使用期限があるものが多いため、パッケージの表示を確認する
- においが気になる場合は、防臭性の高い密閉袋も一緒に用意しておく
- 車椅子や杖を使っている場合は、便座の高さや安定性も確認しておく
注意点・よくある失敗
簡易トイレを準備しても、いざというときに使えなければ意味がありません。よくある失敗例と対策を確認しておきましょう。
- 使用期限切れの凝固剤を放置していた→年に1回、台風シーズン前に中身を確認する
- 収納場所を親しか知らず、家族が緊急時に見つけられなかった→家族間で保管場所を共有しておく
- 普段使わないため、いざというときに使い方が分からなかった→事前に一度試しておく
また、体調に不安がある場合や持病がある場合は、断水時の生活の工夫についても必ずかかりつけ医にご相談ください。停電対策の記事と合わせて備えておくと、災害時の安心感がぐっと高まります。

まとめ
「うちは大丈夫」と思っていても、実際に断水を経験した家庭の多くが「備えておけばよかった」と感じています。簡易トイレは一度用意してしまえば、使わないまま数年間保管できるものがほとんどです。今のうちに準備しておくことが、将来の安心につながります。
台風による断水は、いつ・どのくらい続くか予測がつきません。だからこそ「トイレが使えなくなったらどうするか」を事前に決めておくことが、親自身の安心にも、離れて暮らす家族の安心にもつながります。
まずは簡易トイレと凝固剤を一つ用意することから始めてみませんか。次に実家に帰ったときや電話で話すときに、「置き場所、決めておこうか」と一言声をかけてみてください。台風時の防災リュックや夜間のトイレ対策と合わせて備えておけば、いざというときも落ち着いて過ごせるはずです。
